PACIFIC RIM PARKS

Monday, July 26, 2010

パシフィック・リム・パークとは、、

パシフィック・リム・パークとは、、

直訳すると「太平洋沿岸公園」。 アメリカ合衆国カリフォルニア州を本拠地とする非営利団体で、ウェブサイトの説明によると「太平洋沿岸の国々の友情と平和を育むための架け橋としての公園をつくること」が目的だそう。 

かいつまんで自分なりに説明すると、「太平洋沿岸の国々(アメリカ、中国、日本など)に1ヶ月で様々な国の参加者とともに平和公園をつくる」活動をしている。 アメリカの建築家、ジム・ハベルを中心とし、今までアメリカ、ロシア、中国、メキシコ、そしてフィリピンで公園を建設し、今年は韓国、チェジュ島で公園建設を行う。 私はその平和公園建設に唯一の日本人として関わることにした。

まずは自己紹介をさせてもらおう。 私、伊藤智啓は静岡県出身の大学院生。 現在、カリフォルニア大学サンディエゴ校にて「国際関係/環太平洋学」を学んでいる。 専門は国際政治。 今回の「パシフィック・リム・パーク」についてはカリフォルニア大学で韓国政治を教えているスティーブン・ハガード教授から聞き、 自分にとって非常に興味があるプロジェクトに聞こえたので参加することにした。

すこし驚いたのは「今までのプロジェクトに全く日本人が参加していない」という事実だった。 今年は日本のお隣韓国で公園建設が行われるということで、少しでも友好関係を築くのにもいい機会だと思い参加を決意した。 さっき聞いたが、公園完成後にはチェジュ島のガバナー(島長?)や市長、さらに在韓アメリカ大使も完成記念セレモニーに出席するという。 チェジュ島を韓国の「国際平和島」にしようとしている韓国政府の働きかけによるのか、この「パシフィック・リム・パーク」には今かなり政治的に追い風が吹いている。

自分の国際政治、国際関係への関心とは裏腹に実際韓国に着いてみると意外に 国際関係に興味を持っている参加者は少なく、ほとんどは建設や設計などを学んでいる生徒たちばかりで、いい意味で期待が外れ、他の国々の生徒と「生の会話」ができて非常に勉強になっている。

国際政治、特に日本政治を専門として学んでいる私にとって韓国や中国は「過去の遺産」のせいで「仲良くしたくてもなかなかできない国々」というイメージがあり、今回初めての韓国訪問に少し不安感を抱いていた。 特にチェジュ島は旧日本軍が早くから占領し、軍基地を作っていたせいでよけいに反日感情が強いんではないか、と心配だった。 しかし実際来てみると状況は全く逆だった。

今回のプロジェクトは韓国で行われることもあり、韓国人の参加者が一番多いが、世代が若いためか、みんなかなりフレンドリーにせっしてくれる。 中国人生徒とも違和感なく仲良くなれた。 韓国人生徒の一人は「日本は小さいのに経済大国第2位。アジアの誇りだ」とまで言っていた。 これにはさすがに驚いた。 なんとなく一国単位で考えるより、アジアとして全体的に考えている生徒が多く感じられた。

今回集まった参加者ははじめからグローバル思考な生徒が多かったのかもしれないが、それでもみんな仲良く、1つのチームとなって公園建設を行う光景は非常に清々しい。 私個人的には「パシフィック・リム・パーク」の真の目的は「共通のゴールに向かって1つになれば争いや紛争をやめ、協力し合い、平和を維持できますよ」ということを小さいスケールで証明していることだと感じる。 実際中国、韓国、ロシア、アメリカ、メキシコ、フィリピン、そして日本から来た初対面の参加者たちがたかが2週間ほどで家族のようになっている。 共に食い、共に寝、共に働く — すべて「平和公園を建てる」という1つの目標がある故、可能になっているのではないだろうか。 まだプロジェクト終了まで2週間ほどあるが、すでにいろいろ勉強になっている。

伊藤

追伸: ちなみにここのほとんどの英語のブログは私が書いたものです。 英語が読める方は是非読んでみてください。 写真もほとんど私が撮ったものです。

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